観察の練習 菅 俊一 著
慣れとは怖いものであり、反面、日々の判断を自動化し、認知的負荷を減らす事で、無駄な事を考えないで日々過ごす事ができる。
あらゆる事象の理由や背景を考えていたら、それだけで日が暮れそうだが、筆者は日常にある違和感に「気づく」ことを「観察」と称し、「気づく」こと自体は創造的な行為だが、何に着目すべきかという問題設定が適切にされていれば、誰にでもできる行為と説く。
先入観の支配に気づくこと、世界の中から構造を発見すること、デザイナーやクリエイターではなくとも、示唆に富む内容ばかり。
「知る悲しみ」なんて言葉がありますが、何かを知ってしまったら、もう知らなかった時には戻れない。しかし慣れや知らない選択をするよりは、知る悲しみを選択したい。
読後、日常が少しでも変わって見えていたら、すでに観察は始まり、もう知らなかった時には戻れない。
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